Jan 3, 2022
Column

再構築補助金採択事例と採択のポイントについて解説⑥⑥

事業再構築補助金は補助金額が最大1億5,000万円と過去最大級の補助金であり、日経新聞やNHKなどのメディアを通じて取り上げられるほどの話題の補助金です。

ですが、その補助金を具体的にどのように活用すればいいのかわからないという声を、多くの中小企業経営者様から頂きます。

本コラムでは、事業再構築の具体的事例と、補助金の申請対象となった経費、さらに、この企業が採択されたポイントについて解説していきます。

 

〈ブライダル企画・運営から非接触イベント提供事業への転換〉

この会社は結婚式場での運営を行っている会社でした。これまで年間3,000組のパーティ運営を実施してきたことで培ってきたイベントプロデュースや食に関するノウハウが強みです。

 しかし、感染症拡大の影響によってイベントは自粛を余儀なくされ、売上は半減、さらにブライダル業界は少子高齢化や人口減少などの人口構造的な影響や、婚姻数・挙式件数の減少といった消費者ニーズの変化によってコロナ感染症収束後もブライダル業界は縮小傾向にあり、既存事業を継続するのみでは売上が拡大する見込みはありません。

 以上の状況から、この企業は自社が培ってきたイベントプロデュースノウハウを活用しリアル会場の臨場感が味わえるオンライン型イベントシステムの開発・販売及び、食事配膳ロボット導入による非接触リアルイベント事業を新たに開始しました。

 本事業を実施することによって、感染症拡大を考慮した事業を実施することができるだけでなく、現在我が国の行政が力を入れているリモート化・オンライン化に貢献することができます。

※SWOT分析で整理した自社の強み・弱み・機会・脅威という4つの観点をそれぞれ掛け合わせることで、自社の経営戦略やマーケティング戦略をより具体化させるための分析手法

■導入経費(一部抜粋)

53プログラム       :システム構築費用

57商業及びサービス業用機器:配膳ロボット

99分類不能な商品     :広告宣伝費 等

 

■採択のポイント

 この企業が採択されるポイントとなったのは、先端的デジタル技術を率先して活用したことが大きかったと考えられます。

未だ業界に浸透していないイベントオンライン化を、自社のイベント企画・運営ノウハウを生かして独自のシステムを構築することによってイベントオンライン化に貢献することは、先端的なデジタル技術を活用した経済貢献になります。

実際に、事業再構築補助金の審査項目には下記の様な審査項目があり、本事業は、この2項目で得点がとりやすかったと考えられます。

〈審査項目一部抜粋〉

・先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。

・市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの

最適化を図る取組であるか。

・先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の

活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。

 また、事業再構築補助金は申請要件として感染症拡大の影響によって売上減少の影響が生じていることが要件の一つとなりますが、この企業は対前年比で売上が半減していることから、感染症拡大の影響による売上減少が著しく、明確に申請要件を満たしていることが分かります。

 

(参考:中小企業庁 事業再構築補助金公式HP

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/cases.php

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